はてなブックマーク - 資本主義において投資をしない日本人は愚か?
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1880兆円の日本の家計金融資産のうち依然として50%以上の961兆円が現預金として眠っていることが分かりました。この低金利の時代において銀行に預金しても全くお金は増えません。実際に大手銀行の定期預金の金利は0.01%と極めて低い水準で推移しています。一般的に株式のリターンは年間6〜7%と言われていますが、こうしたリスク資産の保有はわずかに18%となっています。

 

(日本銀行より)

 

金融庁は「貯蓄から資産形成」をスローガンに、近年はNISAや積み立てNISAなどの税制面での優遇制度を整え、日本人の投資を積極的に後押ししようとしています。それもそのはず、資源の乏しい日本にあっては、高度経済成長で溜め込んだ家計金融資産は数少ない日本の資源です。この資源を有効に活用すれば日本はより豊かになれるというのは自然な発想です。世界最大の機関投資家と言われるGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)ですら150兆円弱です。961兆円の現預金の中から何割かが投資に回り、年間数%のリターンを生むと考えればそのインパクトは絶大です。

 

しかし、日本人は投資をしません。

 

投資をしない日本人は愚かなのでしょうか?資本主義においてその恩恵に預かろうとしないのは愚かに思えますが、日本人がこれまで投資をしてこなかった合理的な理由もいくつか考えられます。まず1つは日本の株式市場の低迷です。以下は1985年からの日経平均株価指数を示したものです。

 

 

バブル崩壊以降、1989年の史上最高値を30年が経とうとしている今なお越えることができていません。バブルの頃に株で失敗した人を見てきた人からすれば、「株なんてやるものではない」と考えるのも頷けます。

 

また、日本は失われた20年と言われる期間、デフレ経済が長期的に続いていました。デフレによって物価が下がるということは、現預金を保有しているだけでその価値が向上するのです。さらに、当時は世界的に円高傾向が続いており、リーマンショック後には1ドル70円台で推移していた時期もありました。これは円を保有しているだけで対ドルベースで価値が向上していたということです。

 

円高、デフレ、株価低迷となれば、わざわざリスクを取らずに現預金で持っておきたいと考えるのは自然ですし、現預金を円で保有するという投資行動はこの時期に限っては悪くない判断だったと言えます。

 

しかし、アベノミクスが始まって6年が経とうとしている現在の日本は、円安、インフレ(わずかに)、株価高騰という状況です。

 

こうした現状にあって投資をしないという判断は、自らお金持ちになることを放棄していると言えます。

 

『21世紀の資本』でおなじみのトマ・ピケティの有名な法則に「r>g」というものがあります。簡単に言えば、株式や債券、不動産といった「資産」の利回りの方が「労働」による賃金の上昇よりも早いスピードで富を生むから、格差は拡大し続ける、というものです。なぜこの世に格差があるかという問いに明快に答えたピケティは偉大です。

 

さて、資本主義の中にいる我々日本人にとって、株式や債券、不動産を手に入れて、投資をすることがお金持ちになる近道であることは明らかです。にもかかわらず、現預金が961兆円も眠っている現状は、お金持ちになることを放棄した人が溢れていることの裏返しといってもいいでしょう。

 

アベノミクスが始まる以前の円高、デフレ、株価低迷という時代は終わりました。投資をしない言い訳はもうありません。リスクを恐れ、投資をしなかったために豊かになれなかった日本人は世界から取り残されてしまうかもしれませんが、それも自己責任になります。

当ブログは、投資に関する情報を掲載していますが、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。また、読者が当ブログの情報を用いて行う投資判断の一切について責任を負うものではありません。投資はくれぐれも自己責任でお願いします。



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