はてなブックマーク - 「空前の売り手市場」を信じてはいけない理由
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就職情報会社ディスコによれば6月1日時点の内定率は65.7%で、前年の同じ時期よりも2.3ポイント高いようです。2019年卒の新卒採用市場は「空前の売り手市場」とも言われています。1人で5社も6社も内定を取るような内定長者も少なくない現状で、有効求人倍率は1.59倍と、中小企業を中心に人手不足が叫ばれるほどです。

 

一方で「ナイ(無い)内定」と呼ばれる、企業からの内定を獲得できていない学生も実は少なくありません。

 

不思議に思うかもしれませんが、早稲田や慶應の学生であっても毎年「就活留年」「就活浪人」をする学生が一定数います。空前の売り手市場にも関わらずこうした学生が出てきてしまうのはなぜでしょうか。

 

確かに全体として見れば人手不足の企業はたくさんあるのですが、知名度が高くて入社難易度が高いブランド企業に関して言えば、とても狭き門なのです。明治の2700倍を始め、森永乳業533倍、ヤクルト本社318倍など、食品メーカーの倍率などはかなりの水準です。他の業界に至っても、大雑把に見積もって人気企業の倍率は基本的に100倍程度です。

 

例えば慶應義塾大学を例にとってみます。少し古いですが2016年の慶應義塾大学の卒業生は年間8000名ほどで、就職者は4499名です。その中で2016年の就活人気ランキング上位300社に入社できる慶大生は約2500名です。

 

この人気300社には有名外資(グーグルやアマゾンジャパン、P&Gジャパンなど)や地名度は低いものの優良企業(運用会社など)は含まれていませんが、そうした企業に入社する人も200名弱であり、やはり上位企業にいけるのは3000名もいないということになります。

 

就職者が4499名いる中で上位企業にいけるのは3000名弱という数字をどう見るでしょうか?ほとんどの学生が上位企業に入社することができているという見方もできます。もちろん中には公務員や大学病院に勤めるケースもたくさんあります。しかし希望の上位企業に行くことができなかった学生も少なくありません。中堅企業に就職したり、自身の就職活動に納得がいかず就職浪人したりするケースも多いです。

 

空前の売り手市場であることには間違いなく、就職するだけなら苦労することはないでしょう。しかし、売り手市場とは言え、人気ブランド企業は買い手市場です。それもとてつもないほどの超買い手市場」です。新卒市場で各企業がしのぎを削って学生の確保に苦労しているという報道もありますが、それは「優秀な学生」の確保に躍起なのであって、数それ自体はいくらでも足りるのです。あくまで質の高い学生の確保に奔走しているだけのことです。

 

上位企業への就職を目指す学生の皆さんはこの事実を踏まえて、気を緩めることなく就職活動をしてもらいたいと思います。

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